パリの散歩道    マレ界隈  


ヴォージュ広場
   マレの中心のヴォージュ広場。広場と言っても、かつての貴族の館に囲まれた緑豊かで快適な広場である。1605年アンリ4世の時代に館の建設が始まった。王の館、王妃の館という名称が今も残る。パリが凄いのは、貴族の館ですら集合住宅にした 点である。立体的に街を創る。郊外には森や農地が沢山ある国なのにも関わらず。
現在、回廊部分はブティックなどに使われている。これは当初からのスタイルで、 2階以下は店舗やオフィスとし、3階4階を貴族、王族が使用、上は使用人という 構成で不動産ビジネスを展開した。これはパレロワイヤルなども同じである。 ビクトル・ユーゴーもここに住んでいた。そこは記念館として保存され、見学できる。   
広場回廊

フラン・ブルジョワ通
   フラン・ブルジョワ通を行くバス。日本でも少し前まであった光景だ。このバスは後が 窓なし展望台になっている。タバコを吸いたい人や街を見物したい人の特等席だ。 この通りは個性的な雑貨・アクセサリーの店が並び、パリ市民に人気のあるところ。 いくつかのパサージュもこの道に交わっている。のたのた走るバスも何時まであることか。
マレの路地歩きは楽しい。雨上がりの夕暮れが最も良い。東京の神楽坂か京都の 河原町といった趣か。ピカソ美術館が出来て以降、ブティックやワインバーも増え、街歩きの半径が広がる。職人の街でもあり、工房風景をのぞくことができる。工房や ショーウインドーの光は暖かい色で柔らく、路地を行く人の後姿に郷愁を覚える。   
マレ地区の路地

ロアン館界隈
   歴史博物館界隈の夕暮れ。この界隈には貴族の館を利用した博物館がいくつかある。 ピカソ博物館もその一つである。夕方になり街燈がともる頃になると、博物館が 貴族の館として再浮上してくる。高い石の壁、灯りのともった窓、大きく厚い木の扉。 庶民の街と思われるマレは貴族の街でもあった。今は馬車の響きだけがない。
画像をクリックしてください  
パリの散歩道 エッフェル塔 ノートルダム ベルサイユ オルセとルーヴル home